「エモい」という言葉、時々聞きますが、どんな意味か知っていますか?
なんとなく、分かったよな、分からないような・・・。
そう、はっきりした意味が分からなくて当然!いろいろな場面に使える、ふわっとした言葉なのです!!
この記事では「エモい」の語源や意味、使う時の注意点や使い方について紹介します。
エモいとは?語源と意味をわかりやすく教えます
「エモい」は、英語の「emotional」に由来します。
emotionは感情のことですので、一言でいうなら、「感情を揺さぶられるような」といったところです。
どんな感情でも使えるので、汎用性の高い言葉ですね。
一方で、言葉を受け取る側は、一緒に使われる言葉によって、どんな感情を込めているのか意味を推測する必要があります。意外と難易度が高いかも。
例えば、「エモい曲」「この曲エモい」といった場合、ノスタルジック(nostalgic)に近い意味で使われていることが多いようです。懐かしい感じや、そこに付随する哀愁といったものを表現しているんですね。
別の例では「エモい服」「このニュースエモい」といった、感情表現とは離れたところに「エモい」を使うパターンです。こちらはヤバい・スゴいといった言葉で言い換えられるでしょう。対象物から何かしらの感情が立ち上がり、それを表現するためにエモいを使っています。
元々はどちらの意味がメインで使われていたのでしょうか?
「エモい」という言葉が辿って来た道のりをみればわかります。
実は「エモい」はかなり昔からあった言葉だったのです。
最初に使われたのは、1980年代の音楽シーンでした。
「Emo(イーモウ)」というジャンルがあり、そのひとつのエモーショナル・ハードコアは「エモコア」と呼ばれていました(ハードロックに近い)。聞いてみると、曲調の変化が激しすぎて「別の曲?」と思えるほど。激しい感情の抑揚や、切ない感情を吐露した歌詞、哀愁を誘うメロディをもつ曲が「エモい」と表現されていたそうです。
音楽業界やファンの間だけで使われていた「エモい」ですが、2000年代にはいってから徐々に一般人(主に若者)にも知られるようになりました。
ブレークしたのは2016年。三省堂「今年の新語 2016」で2位となり、一気に有名になりました。
あの落合陽一氏も「エモい」を好んで使っており、エモいという言葉が拡散するきっかけになったようです。コンピュータに代替可能なことや、ロジカルな考え方の対極にあたるものとして、人間的な感情・エモいがあると話しています。
元の意味は、「感情を揺さぶられる」の方だったようですね。
便利で言いやすい言葉だったので、だんだんといろいろな意味が付け加えられていきました。その結果、「やばい」「すごい」と同じようになんでも使われる言葉になったようです。
中には、「エロい」+「キモい」の合成語としての「エモい」という使い方もあるそうです!
ちなみに、エモいは日本の古語の「もののあはれ」や「をかし」と同じような意味で使われている、という内容のtwitterの投稿がありました。
日本人は昔からふわっとした言葉を使っていたみたいですね。「超エモい」を平安時代では「いとあはれ」「いとをかし」と言っていた・・・と考えると面白いです。
2019年現在、当初の勢いほどはありませんが、まだまだ現役で使われているエモいです!
「エモい」を使う上での注意点!
エモいは便利な言葉なので、わりとなんでも使える万能選手です。
でも、使う上で2つの注意点があります。
①「やばい」「すごい」ほどに世間の浸透度は高くない
「エモい」という言葉は、「やばい」「すごい」と比べると若者言葉にとどまってる感はあります。
ネットスラングとしては十分知れ渡っているので、バンバン使っていいと思います!
日常会話で使う場合は、相手が知っていそうか確認してからにしましよう。
②「やばい」「すごい」は純粋に程度を表せるが、「エモい」は色をもっている
「やばい」「すごい」も、「エモい」も、何らかの形容詞の代わりとして使えますが、微妙にニュアンスがかわってきます。
「やばい」「すごい」は、何かに対してそう言ってしまえば完結します。程度を表すのはもちろん、使われすぎて、ほどんど意味がない透明な言葉になっているのではないでしょうか。
例えば、自分がどうとも思っていないものに相手が「やばい」「すごい」と言っていても、とくに突っ込まないですよね。相手も、同意されなくてもいいという気持ちで、自己満足的につかっているんだと思います。
それに対して、エモいは完結しない言葉です。
「これエモいね~!」って言われたら、「どうエモいんだ?」と考えますよね。
何か対象物があってエモいを使う時は、「切ない」「哀愁漂う」などの感情を誘うものがほとんどだと思いますが、そうではないケースもあります。そうすると、どう返答していいか困っていまいますね。
「う・・・うん、エモいね!」と適当に同意することもできますが、相手は感情を共有したいという思いで「エモい」を使っている可能性があるので、その後の会話は「この辺がこうだから」という理由について話すかもしれません。自分がエモいと思った根拠を用意した方がいいでしょう。
自分で「エモい」を使うときは、相手が訳がわからなくならないよう、少し気を配ってみましょう。「エモい」を連呼していると、相手が疲れてしまうかもしれません。
エモいの用例!こんなときに使える例文をご紹介
さて、実際にどんな場面で使えるのか?という用例を解説したいと思います!
- この曲の旋律がエモいんだよなぁ。
(ぐっと心に刺さるメロディってありますよね。)
- この曲の歌詞がエモい。
(曲はいまいちだけど、歌詞だけみてみると良い歌詞だったり。)
- この写真、エモいわ~
(日本の原風景を彷彿とさせる写真とか。子供の頃を思い出してしまう。)
- この絵、エモい。
(なんだか世界観がある絵をみて、感動しています。)
- この本、エモかった。
(心を動かされたのであれば、本にも使えます。)
- ○○社の社名の由来を知った。めっちゃエモい。
(ストーリーに心を打たれたようです。)
- ペットショップと動物保護団体の実態についての特集見たんだけど・・・なんていうかエモすぎる。
(ニュースを見聞きして、悲しい・やるせない気持ちになったときにも使えます。)
- パジャマパーティとかいうエモい女子会、やったことある人いる?
(特定のモノではなく一般的なものに対しても使えます。ここではジャンルを指していますね。一般名詞についてエモいと思った理由を聞くのは自然です。)
- ○○××って人、エモい。
(ついに人にまでエモいを使うように・・・。その人の人生を知ることに価値があって、そう言っているんでしょうね。)
まとめ
以上、エモいの意味や使い方についてお伝えしてきました。
この言葉にあまり馴染みのなかった方は、さっそく明日から「エモい」を使ってみましょう!
また便利な言葉がひとつ増えましたね。
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