確定申告の医療費控除のやり方入門!いつ返ってくる?申請はIDパスワード方式がおすすめ

確定申告の季節になりましたね。
サラリーマンやその配偶者の方は、あまり馴染みがないかもしれません。
ご自分で確定申告する場面としては、生命保険料控除証明書のハガキが会社の年末調整のタイミングに間に合わなかったとき(保険料控除)住宅を購入したとき(住宅ローン控除)、それから医療費が年間で10万円以上かかったとき(医療費控除)くらいでしょうか。
すべて「控除」とついているのは、税金の計算のベースとなる所得のうち、一定額を差し引いて税金を計算しますよ、ということです。サラリーマンの場合、各種税金は源泉徴収されていますし、一定の控除は年末調整で行われる(毎年、扶養家族や支払い保険料について申告してますよね?)ので、基本的には確定申告する必要はありません。
確定申告が必要になるのは、給与所得以外に所得が発生したときや、最初にご紹介した控除を受けるときなどです。ふるさと納税をワンストップで行わないを選択した方も、確定申告が必要です。追加納税になるか還付になるかはあなた次第ですが、控除のみを受ける場合、税金が安くなり手取りが増えるとしたら、やってみようという気持ちになりませんか?
医療費控除に関しては、領収書を取っておいたり、集計したり、なんとなく面倒なイメージを抱いているかもしれません。でも、全体の流れが分かれば、そのイメージが変わるかもしれませんよ。
この記事では、実際に共働き夫婦の確定申告をしている私が、医療費控除に関する疑問と、最新のID・パスワード方式について、ポイントを絞ってお伝えします。

確定申告の医療費控除のやり方は?平成30年分からはネットでできる?

確定申告の医療費控除のはじめ方について、入門編ということで解説します。
まずは初心者が気になるポイントから。

確定申告の医療費控除はまとめて申請できるの?誰がするとお得?

医療費控除の概要は、次のようになっています。
 その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。(国税庁ホームページより抜粋)
生計を同一としていれば、本人でなくても医療費控除を受けられるので、夫婦やきょうだい・親・子と同居していて同一生計の場合は、誰かひとりの確定申告で家族全員の医療費控除をすればいいのです。
事実婚などで戸籍上の親族でない場合は、医療費控除を合算することはできないので注意が必要です。婚約中であったり、同棲していてお財布が一緒の場合も、それぞれが確定申告をすることになります。
原則として、所得が多いほど控除される金額が大きくなるので、いちばん稼いでいる人の確定申告で医療費控除をするのがお得になります(ここでいうお得とは、所得税の還付額が多くなるということです)。例外としては、「総所得金額の5%」が10万円に満たない総所得200万円以下の方がいる場合、医療費から最初に引かれる金額が少ないので、いちばん稼いでいる人の所得から控除するよりも、お得になる場合があります。

確定申告の医療費控除はいつから申請できて、いつ返ってくるの?

 

確定申告の申請期間は、2月16日から3月15日までとなっています。ただし、還付申告の場合は1月4日より税務署に提出することができます。

還付金は、処理に通常1カ月~1カ月半ほどかかりますが、e-taxを利用すれば3週間ほどで振り込まれるようです。還付金の額と振込予定日については、事前にハガキで通知がきます。(※申告内容に不足や誤りがあった場合も、お手紙がきます!)

 

医療費控除するための領収書の集計作業を省く方法はある?

さて、いざ申請となると、今度は領収証の集計が大変なんじゃないか・・・という不安がありますね。
実は、平成29年度からは領収書にかわって、健康保険から送られてくる「医療費のお知らせ」を添付すればいいことになっています。病院への交通費(電車・バスなど公共交通機関を使ったもの限定。車のガソリン代は対象外)は記録がないため、別途明細を作成する必要がありますが、この制度でかなり作業が楽になるのではないでしょうか。「医療費のお知らせ」に記載されている内容であれば、領収書の保管義務もありません。
これは私の母の話なのですが、母は何年か前にパートで確定申告の期間限定で、申告書の処理をしたことがあります。そのとき、医療費控除の領収書を確認するのが一番大変だったそうです。
考えてみれば、還付申告は確定申告の受付(2019年なら2月15日)前からしていいことになっていますし、先日行った税務署でも職員が提出は早ければ早いほどいいと言っていました。還付申告は受ける側も集計に時間がかかるんですね。
職員の手間を省くためにも、毎年少しずつ制度が簡略化してきているのかもしれません。

医療費のお知らせを使うときの注意点は?

医療費控除の集計作業が簡単になるという大きなメリットがある「医療費のお知らせ」ですが、実は3つの注意点があります。
3つの注意点について順番に説明しますね。
1.健康保険側の説明がトラップになっているおそれがある

健康保険によっては、「医療費のお知らせ」をWebで閲覧できるところがあります。電子証明書がついていれば、e-tax(確定申告の電子申請)の添付資料として認められています。

健康保険のHPで「この医療費のお知らせは医療費控除に使えません」と書いてあっても、税務署側では実はOKだったりもするようです。
一方で、郵送や手渡しなど紙媒体で確定申告をする場合は、自宅でプリントアウトしたものではなく、健康保険が発行した正式な「医療費のお知らせ」を使うのが基本のようです(その証拠に、ほとんどの健康保険では「医療費のお知らせ」の再発行はしないと説明書きがしてあります)。
いずれにしても、判断に迷う場合は健康保険ではなく税務署に詳細を確認するとよいでしょう。
2.健康保険組合ごとに「医療費のお知らせ」のフォーマットが異なるため、必要事項が記載されていないと、確定申告に使えないことがある
確定申告に使える「医療費のお知らせ」は、以下の6項目が記載されているものに限ります。
①  被保険者等の氏名
②  療養を受けた年月
③  療養を受けた者
④  療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
⑤  被保険者等が支払った医療費の額
⑥  保険者等の名称
不足している情報があるときは、各自で明細を作成します。
3.「医療費のお知らせ」が届くタイミングが遅く、確定申告の期間に提出できないことがありうる
「医療費のお知らせ」が送付される時期の目安は、以下の通りです。
●全国健康保険協会(協会けんぽ)※主に中小企業にお勤めの方と、その扶養家族
→1月下旬~2月上旬
●組合管掌健康保険(組合健保)※主に大企業にお勤めの方と、その扶養家族
→組合によるが、目安としては1月下旬以降
●共済組合 ※公務員の方などと、その扶養家族
→共済による。2月下旬に1年分まとめて送付されるケースや、年4回送付されるケースがある(6・9・12・3月など)。
●国民健康保険(国保):自営業者、職業についていない人とその家族
→自治体による。2月下旬に1年分まとめて送付されるケースや、年2回に分けて送付されるケースがある(2・9月など)。
「医療費のお知らせ」が確定申告に間に合わない場合、各自で明細を作成することになります。間に合ったとしても、例えば11月分までしか反映されていない、記載されていない医療費がある、医療費に含めたい交通費がある、といった場合は追加で明細を作成する必要があります。

オーソドックスに領収書を集計する方法を知りたい!

「医療費のお知らせ」が間に合わなかったとき、明細が不足しているときなど、結局は領収書に頼ることになるかもしれません。
件数によりますが、領収書の集計はやってみると意外と時間がかからないという感想です。
病院名はだいたい決まっていることが多いと思いますので、エクセルにコピペできますし、いまは「医療を受けた人・病院名・区分(サービスか投薬かなど)・金額」だけ入力すればいいんです(医療を受けた人は連名でも記載可能だそうです)。
私は6年にわたって確定申告をしていますが、医療費のフォームはだんだん簡略化されてきました。以前は、年月日や、病院の所在地、医療を受けた人の続柄も全て入力する必要があったんです。
ちなみに我が家の領収書の集計作業は、このような流れで行っています。
領収書の入った缶をひっくり返す
病院ごとに仕分けする
日付順に並び変える
病院ごとに、エクセル表の医療を受けた人・病院の名称・医療費の区分の項目を埋める
上から順に、金額を打ち込んでいく
だいたい50件で1時間くらいのイメージです。
医療費のフォーマットができたら、あとは簡単です。
国税庁の確定申告用の特設ページにいき、サラリーマンであれば源泉徴収票を見ながらフォームをうめていくだけです。医療費フォーマットのエクセルは、途中でアップロードする画面が現れます。

申請方法はどれを選んだらいいの?

結論から言うと、いちばんおすすめは「ID・パスワード方式でPCからe-tax申請をする」方法です。
ID・パスワード方式をおすすめする理由としては、本人確認のため税務署に1回足を運ぶ必要はありますが、それ以降はすべてネットで申請を完結できるからです。
スマホでなくPCで申請する理由は、対応する機種が限られているから、またスマホでは金額の打ち間違いが起こりやすいからです。
私は確定申告の受付が始まる前の時期の、平日14時ごろに税務署へ行きました。30分くらい順番待ちがありましたが、作業としては10分程度で終わりました。それまではPCで作成した申告書を税務署に持参したり郵送したりしいていましたが、翌年以降は交通費も郵送代もかからなくて済むので、良かったと思います。
いま医療費の領収書を保管していないという方は、ぜひ今からでいいので保管をはじめることをおすすめします。いままで高額な医療費を支払ったことがないか、あまり出費を気にしないのかもしれません。私も以前はそうでしたが、妊娠・出産してからは必ず保管するようにしています。
妊娠した際、自治体から妊婦検診をするための補助券をもらえるのですが、私は予定日を過ぎても生まれず通院の際に「チケット切れ」となり、全額自己負担で医療費がかさんでしまいました。また、出産費用や2~3日の入院で5万円以上飛んでいってしまうこともありました。それでも、確定申告で医療費控除や扶養控除を駆使したら、数千円単位でお金が戻って来たのです。
この記事をご覧になっている、予定している出産や入院がない方でも、突発的に事故や病気にあったとき、高額医療費制度の限度額に届かないくらいの出費(8万円以下など)が発生することもあります。そんなとき、医療費控除により還付される税金の金額も大きいので、普段から領収書を取っておいても損はありませんよ。早速、家にあるお菓子の缶かなにかを医療費領収書専用BOXにしましょう!

 

確定申告の医療費控除でいくら戻ってくる?ぶっちゃけ得か損かを判定!

おそらく、確定申告の医療費控除で一番気になるのが、損か得かですよね。
医療費控除のためだけに確定申告しているとしましょう。もらえる還付金をかかった時間で時給換算したら、果たしてどれくらいの金額なのでしょうか。
まず、還付金の計算式は以下の通りです。
①医療費控除額を出す
(医療費控除の対象になる医療費-保険金等で補てんされた金額)-10万円(総所得200万円未満の人は総所得金額等×5%)
②課税所得額を出す
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」ー「給与控除の合計」
※ここで所得税率がわかります。

(平成27年分以降)

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

(注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。
700万円×0.23-63万6千円=97万4千円

(国税庁HPより)
③還付額を出す
医療費控除額 × 所得税率(5~45%)
生命保険・損害保険に入っていて保険金が支払われた場合や、出産育児一時金がおりた場合は、医療費からマイナスします。
①→②→③の順で計算します。式は意外と簡単ですね。
また、上記は所得税の計算ですが実際は住民税も安くなります。
確定申告以外に特別な手続きは必要ありません。
所得に関係なく、医療費控除額に10%をかけた金額が、住民税から引かれます。
すると、見える形で還付される(銀行口座に振り込まれる)所得税の金額と、見えないけれど安くなる住民税の金額が、あわせて「お得になった」金額といえるのではないでしょうか。
ざっくりでいいから還付金の金額を知りたい!という方のために、いくつかのパターンでシミュレーションしてみました。
かかった医療費(自己負担分のみ)が11万円の場合・・・
●総所得150万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-7.5万円=3.5万円
②3.5万円×5%=1,700円
<住民税>
3.5万円×10%=3,500円
合計 5,200円
●総所得200万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×10%=1,000円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 2,000円
●総所得300万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×10%=1,000円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 2,000円
●総所得400万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×20%=2,000円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 3,000円
●総所得500万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×20%=2,000円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 3,000円
●総所得600万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×20%=2,000円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 3,000円
●総所得700万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×23%=2,300円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 3,300円
●総所得800万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×23%=2,300円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 3,300円
●総所得900万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×23%=2,300円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 3,300円
●総所得1000万円
<所得税>
①医療費控除額=11万円-10万円=1万円
②1万円×33%=3,300円
<住民税>
1万円×10%=1,000円
合計 4,300円
医療費がちょうど10万円を少し超えるくらいだった人は、所得税の還付は1,000~3,000円位の方が多そうですね。そこに住民税の減額が加わるので、あわせて2,000~4000円くらいのお得が多いラインかもしれません。
さて、時給換算した場合、集計~申告書の作成までに2~3時間かかった方は、時給1000円くらいという結果になりました。もっと早く終わった方は、そのぶん時給が高くなります。

まとめ

長い記事をご覧くださり、ありがとうございます。
医療費が10万円を超えそうかな、と思ったら迷わず確定申告することをおすすめします。
ID・パスワード方式が導入されたおかげで、最初だけ少し時間がかかりますが、慣れてしまえばとっても申告が楽になりました。
この記事が、あなたのお役に立てたら幸いです♪

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